No.106 (フランス二月革命と第二帝政) :
「フランス第二共和政が4年で終わった理由とは何か?」
1848年の仏二月革命により仏王ルイ=フィリップが亡命したことで始まった
第二共和政は、男子普選で社会主義者が大敗し、中小ブルジョワ中心の穏和
な共和政だった。この年の12月に大統領に当選したルイ=ナポレオンは、18
51年にクーデタを起こして独裁権を握ると、翌1852年に国民投票で皇帝とな
りナポレオン3世と称した。これにより第二帝政が始まることとなった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
4年といえばオリンピック。その短さを実感することから、フランス第二共
和政の成立と崩壊についての学習に、大きな関心を持って取り組んでいる。
思考・判断:
「ナポレオン英雄伝説」や、社会主義の台頭を恐れたブルジョワ層や農民の
支持を巧みに利用しつつ、ルイ=ナポレオンが独裁権を掌握したことについ
て、的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
ナポレオン一族の家系図を見て、ナポレオン1世とルイ=ナポレオンの血縁
関係を読み取っている。
知識・理解:
フランス第二共和政がわずか4年で終わった大きな原因は、「共通の敵」で
あるオルレアン朝ルイ=フィリップ打倒後の、自由主義ブルジョワと社会主
義者・労働者という革命派の内部分裂であることについて、1848年の諸革命
がウィーン体制を崩壊させたにもかかわらず、その後の自由主義やナショナ
リズムが偏狭なものと化していくことと重ね合わせて、基本的な知識を身に
つけている。